みなさま、こんにちは。みきです。
『信州/諏訪 霧ケ峰高原 別荘地 ビバルデの丘』
今日のビバルデブログへお立ち寄りいただきまして
ありがとうございます。
令和5年 6月 1日 (金)
今朝8:00の気温は11.6℃
お昼12:00の気温は16.8℃
湿度50%天候は晴れです。
山際や川沿いではニセアカシア(ハリエンジュ)の白い花が満開ですね。
香りが強く、おいしい蜂蜜がよくとれる花なので、今日もミツバチがあちこち
忙しそうに飛び回っていました。
咲き掛けの花房は、天ぷらにして食べてもおいしいですよね。
ビバルデの丘でも様々な虫たちが飛び交い、晴れた日にはエゾハルゼミが大合唱しています。
空を飛ぶ虫は様々な植物の花粉の運び屋となるため、自然界では欠かせない存在ですよね。
植物も、虫に来てもらうために独自の進化を遂げたものがたくさんあります。
というわけで今回は引き続き小川の周りの植物から、少し変わった生態をもつもののお話を。
こちら「マムシグサ」の仲間です。
サトイモ科テンナンショウ属というグループの多年草で、草丈は50cmほど。
テンナンショウ属にはいろいろな種類がいるのですが、似ているものが多く、また
生える場所や個体によって見た目に差が出るためはっきりとした名前がわからない場合がよくあります。
今回のものも、カントウマムシグサかコウライテンナンショウ、でしょうか……? と、
確信がもてずにいる状態です。見分けられる日が来るといいのですが……!
さて気を取り直して。
茎の先端が花なのですが、ポットのような、変わった形をしていますよね。
これはサトイモ科の特徴のひとつで「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ぶそうです。
仏炎苞の花はミズバショウやザゼンソウなどが有名ですね。
一見すると食虫植物?とも思える見た目ですが、そうではありません。
これはテンナンショウ属のもつユニークな生態に関係しているのです。
マムシグサの仲間は雄株と雌株に分かれており、雄株の花には下のほうに小さな隙間(抜け穴)の有無で
見分けることができます。
写真ように、隙間があるものが雄株(上)、ないものが雌株(下)です。
そしてテンナンショウ属の仏炎苞の中、こんな風になっています。
(少々拙いですが書いてみました)
果実をつけるためには雄株の花粉を雌株のめしべに運ばなければなりません。
そこで活躍するのが小さな虫たちです。
まず、マムシグサの付属体から発せられる匂いにおびき寄せられ花の中に入ります。
花の構造上、一度入ってしまうと上からは出られず、下へ進むしかありません。
そのため雄株の花の中にもぐりこんだ虫は、花粉を体につけて、下の隙間から抜け出します。
その後、今度は雌株の花へ入り込み、めしべに花粉がつけば受粉成功となります。
……お気づきでしょうか。
雌株の花には出口がありません。
そう、つまり、雌株の花へ入った虫はそこで命が尽きてしまうのです。
確実に受粉をさせるためとは言え、なかなかにおそろしい戦略ですよね……!
残酷なようにも見えますが、これも植物が子孫を残すためには必要なのかもしれません。
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ところで「テンナンショウ属」という名前。漢字にすると「天南星」と書きます。
中国語で空に広がる星という意味で、葉の形が由来なのだとか。漢方にもなっているそうです。
とても素敵な名前ですよね。
一方で、「マムシグサ(蝮草)」という呼ばれ方は、少し怖い響きですね。
名の通り、毒蛇のマムシから来ています。
茎にある斑模様がまるでマムシの柄に見えたことや、仏炎苞の上部が頭をもたげるマムシの
姿に似ていることからついた名前だそうです。
なかなかネーミングにもギャップがあり、興味が尽きない草です。
花の時期が終わると今度は果実が成長していきます。観察が楽しみですね。
小川のそば以外でも見られるので、ぜひ探してみてください!